コロナ渦の中、どハマりしてしまった韓国映画「愛の不時着」。多くの女性達を虜にしてしまった作品です。仕事ばかりしていた女性にも恋とか愛とかのトキメキの感情を呼び起こさせたドラマシリーズ。改めて「愛の不時着」が人気になった理由と男女の関係について考えてみました。
なぜ世の女性が虜になったのか?
出典元:Netflix「愛の不時着」
なぜ、ここまで世の女性を虜にしたのかはひとつではありませんが、まずは、何と言っても迷彩服がよく似合うリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)がとにかくカッコいい。
これまでの作品と比較しても明らかに鍛えられた肉体で女性が理想とする男性像を演じてくれました。
彼の表情、一途さ、いざというときに必ず現れて絶対的に守ってくれるリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)に心を鷲掴みにされてしまうのです。
次に、休戦中の韓国と北朝鮮が背景であること。設定がまさにロミオとジュリエットの禁断の恋であることはもちろん、北朝鮮の閉ざされた生活を見られること。そして、ハラハラするドラマの展開とテンポ感。
次の展開が待ちきれず気がついたら「愛の不時着徹夜」をしていた女性は多かったのではないでしょうか。
このドラマの脚本を書いたパク・ジウンは1976年生まれで2020年現在44歳。ブラウン管の世界の男性に興味がない私もさすがにリ・ジョンヒョクに恋に落ちてしまいました。
それほどまでに世の女性達を虜にした作品とリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)。そこには、ベタなロミオとジュリエットのような禁断の恋という設定、そして女性作家ならではが描く完全なるヒーロー像の設定にあったのではないでしょうか。
古典的な恋愛ストーリーのヒーロー
出典元:Netflix「愛の不時着」
オギ・オーガスとサイ・ガダム著書の「制欲の科学」では、ロマンス小説のヒーローがいかに描写されているかについて分析されています。「愛の不時着」のリ・ジョンヒョクは、まさにそのヒーロー像なのです。外見の形容詞としては以下のようなことが挙げられています。
- ぜい肉のない体(引き締まって痩せた)
- 美男子の
- 筋肉質の(たくましい)
- 男らしい
- 彫りの深い(端正な、輪郭のはっきりした)
- 金髪の
- 日焼けした
リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)は韓国人なので金髪ではありませんし、日焼けはしていません。端正な顔立ちですが決して彫りの深い顔でもありません。
これらの点については、欧米人を対象とした外見の形容詞でアジア人はそもそも当てはまらないので例外としても、あとは全てが当てはまる、まさに完璧なヒーローが描かれています。
韓流ドラマや映画がここまで根強い人気を誇っている理由のひとつは、典型的ともいえるヒーロー像と古典的でベタなストーリー性が徹底されていることにあります。
「なんだ、こんな当たり前のこと」と思うかもしれませんが、実はこの普遍的なベタさがあってこそなんです。
全身全霊で相手を守ること
出典元:Netflix「愛の不時着」
古典的にどんなときも現れて助けてくれる強い精神と肉体を持った男性像のヒーロー。
一方で、日本の控えめで純情で一歩下がるが良しとする文化とは異なり、韓国の女優が演じる女性は、現代的でキャリアウーマンであることも現代の女性が共感できてバランスが取れている点なのでしょう。
セリ(ソン・イェジン)は韓国映画にありがちな財閥の大金持ちの娘でアパレルやコスメを取り扱う会社の経営者という設定。彼女もまた強くたくましく勇敢な女性なのです。
北朝鮮から韓国に戻ろうとした道中で敵の攻撃に遭い銃撃戦に。そこでセリを守って銃に撃たれてしまったリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)。セリ(ソン・イェジン)は韓国へは戻らず通行禁止の道路をマッドマックスばりに無理やり車で突っ走ってリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)を病院まで運びます。
また、韓国での銃撃戦ではリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)をかばって胸を撃たれてしまい意識不明に。必ずしもヒーローがヒロインを守るだけではなく、ヒロインであるセリ(ソン・イェジン)もリ・ジョンヒョク(ヒョンビン)を決死で守るのです。
愛とは自分より相手を大切にすること
出典元:Netflix「愛の不時着」
付き合っている彼と上手くいかないときは、自分に問いかけてみてください。喧嘩の原因を考えると、とかく相手より自分が大事になってしまってはいないでしょうか。
男女の別れには、青天の霹靂で突然別れを告げられることもあれば、相手の幸せを考えて別れる道を選んだという経験がある人もいるでしょう。相手の幸せを考えた結論が別れる道であることは悲しいことです。
できればハッピーエンドでいたい。しかし、何かのバランスが崩れたときに別れがきてしまうのです。
一方で、悩みに悩んだ末、天秤にかけて「彼よりも自分の人生が大事」となったときに別れを決意することもあります。
理想的な大人の男女関係と結婚
出典元:Netflix「愛の不時着」
20代で「結婚して子供を産みたいから」と考えて結婚した場合、結婚がしたかったから。仕事を辞めたくて結婚が逃避できる方法だったという人もいるでしょう。
その場合は、結婚して子供を産んでから子供やご主人が自分より大切な存在となったという人が多いのではないでしょうか。
30代は結婚・出産の駆け込み寺のようになる年齢です。40代を過ぎた独身女性には、安定したキャリアや自分の生活もあり、20代の恋愛や結婚とは違ってきます。
相手に事情があったり、子供を産むのが既に難しい問題があったり、恋愛や結婚への難易度は高くなるのが現実です。
40代は「私の人生こんなものかな」と現実的に考える年齢でもあります。しかし、40代を過ぎて精神も安定した大人の女性だからこそ、本当の愛を見つけられる可能性もあるのです。
リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)とセリ(ソン・イェジン)の関係は、どちらかだけに偏ることなくお互いが同じくらい想い合っているバランスで成り立っています。
二人でいることでお互いが望む幸せな道を選択できて人生が大きく変わる。そんな理想的な関係になれる男性と出会って幸せになることをいくつになっても諦めてはなりません。
まとめ
リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)が実在しない男性であることが受け入れられない女性も多いことでしょう。しかし、愛は育むことができます。
恋愛も結婚も待っているだけでは始まりません。誰かを愛することや幸せになることに積極的でいれば、きっと幸せは掴めるはずです。不時着しなくても、勇気を出して一歩踏み出せるかどうかで、あなたもセリになれるかもしれないのです。